サリーのマンガ部屋

こんにちは。サリーです。マンガ好き歴四半世紀以上!マンガを中心にブックレビューを書いています。

終末医療について 自分はどう死にたいか

病院にいくな

こんばんは。サリーです。

 

今年一面白かった本をご紹介します(といっても、まだ3月)

 

著者は、在宅治療をされている医師で、医師という職業柄、人間の最期に直面する機会も多く、人はどのように最期を迎えるのが幸せかについて、一石を投じた本です。

 

もし、老齢の親が家で倒れたら救急車を呼ぶと思います。

救急車で運ばれる先は、病院です。病院とは、医療行為を行って延命するところです。

 

そうなると、心臓が止まっていれば、肋骨が折れるほどの力を加えて心臓マッサージがされます。

息が止まっていれば、口の中に管を通され、その際には出血も伴います。

 

もし、老齢の親が平均寿命を超えていた、若しくは死に至るような病気であったならどうでしょうか。

本当にそこまでして、医療行為を行う必要があるのでしょうか。

 

 

安楽死尊厳死の違い

みなさんは安楽死尊厳死の違いが明確に説明できますでしょうか

 

安楽死とは、意図的に寿命を短くすることであり、尊厳死とは、延命治療をせずに最期を迎えることです。

 

動物は、自分でご飯を食べることができなくなったら、当然ですが死んでしまいますが、人間の世界では、胃ろうといって、胃に直接栄養を届けることができます。

口から直接食べることがないため、老人になると誤嚥性肺炎のリスクが高くなりますが、回避することができます。

ただ、胃ろうのための世話をするひとや、手術などが必要となります。

また、口から食べないため、唾液の分泌が少なくなり、口腔内の感染症のリスクも高くなります。

 

本人が望んでいればいいですが、苦痛を伴っていきたくないという意見も尊重されるべきです。

 

また、逆に若い青年が入院していた際に、あまりの痛さに耐えきれなくなった患者に

意識がもうろうとして痛みを感じなくするように全身麻酔を使ったそうです。

全身麻酔を使わないと痛みから逃れられないというのもつらいですよね。

若いからこそ身体も丈夫で、変な言い方ですがなかなか死なないという現実があります。

そうなると、痛みから解放してあげるために「安楽死」というのも認めてあげたほうがいいのかなと考えさせられます。

 

エンジェルケアについて

 

亡くなった後で、体液がでてこないように綿を詰めたり、死化粧をしたりすることは知っていましたが、そのあとで、体から体に残っている便を掻き出し、きれいにするそうです。

 

そこまでするのか!と思いましたが、

そうしないと、悲しい最後の別れの際に汚物が出てきてしまって、悲しみに集中できなくなってしまいます。

 

著者は、医師なので病院で亡くなった患者さんについては、すべて看護師さんが処置を行っていたので、ここまでしていたことを知らなかったそうです。

在宅で亡くなった場合は、医師も近くにいるので初めて知ったと作中に書かれていました。

 

自分がどう死ぬか、寿命という観点ではまだ先かもしれませんが、事故にあって延命治療をするかどうかの決断を迫られるかもしれません。

親、配偶者、子供・・・ 決断できるでしょうか。

 

いざという時に安らかに最期を過ごすために、元気なうちに話し合っておく必要があるのかもしれません。